日本各地には“湖の見える温泉”がいくつかありますが、
その中でも関西の代表が滋賀県のおごと温泉、東北の代表が岩手県のつなぎ温泉。
どちらも水辺の静けさに包まれた温泉地で、旅人が“ほっと一息つける場所”。
しかしその成り立ちや湯の性質、楽しみ方は大きく異なります。
この記事では泉質・歴史・グルメを切り口に、“湖畔の二大温泉”を比較してみます。


おごと温泉:比叡の麓、琵琶湖の癒し湯
泉質
アルカリ性単純温泉。肌あたりが柔らかく、美肌効果が高い。
無色透明でクセがなく、湯上がりはすべすべ。
歴史的背景
開湯は1200年以上前。最澄(伝教大師)が比叡山を開いた際、病に苦しむ弟子のために湧かせたと伝わる。
“延暦寺の門前湯”として発展し、後に“琵琶湖の奥座敷”と呼ばれるようになった。
観光とグルメ
- 観光:琵琶湖クルーズ、比叡山延暦寺、浮御堂。
- グルメ:
1. 近江牛
2. 鮒寿司
3. 近江米ごはん
つなぎ温泉:岩手山を映す御所湖の湯
泉質
単純硫黄泉・弱アルカリ性泉。硫黄の香りがほんのり漂い、体を芯から温める。
美肌と保温の両方に優れる“優等生の湯”。
歴史的背景
平安時代に発見されたとされる古湯。
戦国時代には南部藩の湯治場として利用され、昭和に御所湖の造成により“湖畔温泉郷”として整備された。
盛岡からバスで30分という立地ながら、静かな自然が保たれている。
観光とグルメ
- 観光:御所湖と岩手山の眺望、小岩井農場、盛岡城跡公園。
- グルメ:
1. 盛岡冷麺
2. わんこそば
3. 前沢牛
共通点と対比
共通点
- 湖を望む“水辺の温泉”である。
- 泉質はいずれもアルカリ性で、美肌効果が高い。
- 都市からアクセスが良く、静かな景観と癒しを両立している。
対比
- 地の性格
おごと=「比叡山の信仰と琵琶湖のリゾートが調和する温泉」。
つなぎ=「岩手山と御所湖の自然に包まれた静寂の温泉」。 - 歴史
おごとは“祈りと癒しの湯”。
つなぎは“湯治と自然の湯”。 - グルメ
おごとは“近江牛や琵琶湖の魚介”。
つなぎは“岩手の麺文化と牛肉”。
比較表:おごととつなぎの魅力を整理
| 項目 | おごと温泉 | つなぎ温泉 |
|---|---|---|
| 泉質 | アルカリ性単純温泉(無色透明・美肌の湯) | 単純硫黄泉・弱アルカリ性(ほのかな硫黄香・保温性) |
| 歴史的背景 | 最澄が比叡山開山時に湧かせたと伝わる古湯 | 平安期開湯、南部藩の湯治場、昭和に湖畔温泉郷化 |
| 観光 | 比叡山延暦寺、琵琶湖クルーズ、浮御堂 | 御所湖、岩手山、小岩井農場 |
| グルメ | ① 近江牛 ② 鮒寿司 ③ 近江米 | ① 盛岡冷麺 ② わんこそば ③ 前沢牛 |
まとめ
おごとは「祈りと湖の癒しを感じる比叡の湯」。
つなぎは「岩手山を映す御所湖の静けさに包まれる湯」。
どちらも“湖とともにある温泉地”という共通点を持ちながら、
おごとは“文化と信仰の湯”、つなぎは“自然と静寂の湯”。
水面に心を映すような穏やかな時間を求める旅には、どちらもぴったりの名湯です。
インスタグラムにも旅行の写真を掲載してみます。ご覧いただけたら嬉しいです。


コメント