「美肌の湯」と呼ばれる温泉は数あれど、全国的に名高いのが島根の玉造温泉と佐賀の嬉野温泉。
どちらも“日本三大美肌の湯”に数えられ、女性客を中心に人気を集めています。
ただし、泉質のタイプも、街の雰囲気も、歴史の成り立ちもまったく異なる二つの温泉地。
この記事では泉質・歴史・グルメを切り口に、“東の神話湯”と“西の潤い湯”を比較してみます。


玉造温泉:神話の国の「願いの湯」
泉質
ナトリウム・カルシウム‐硫酸塩・塩化物泉。
弱アルカリ性の湯はとろりと肌になじみ、湯上がりはしっとり。
古くから「一度入れば肌が若返る」と言われ、“神の湯”として知られる。
歴史的背景
出雲神話の地に位置し、「八百万の神々が集う温泉」として信仰を集めてきた。奈良時代の文献にも記録が残り、日本最古級の温泉地の一つ。玉作湯神社には“願い石”があり、縁結びや美容祈願の聖地にもなっている。
観光とグルメ
- 観光:玉作湯神社、出雲大社、松江城。
- グルメ:
1. 出雲そば
2. 宍道湖のしじみ汁
3. 島根和牛
嬉野温泉:とろけるような九州の湯
泉質
ナトリウム‐炭酸水素塩泉(重曹泉)。
無色透明でぬめりがあり、肌の角質をやさしく落としながら潤いを与える。湯上がりの肌が“つるつるすべすべ”になることで有名。
歴史的背景
肥前国風土記にも登場する古湯。江戸時代は長崎街道の宿場町として栄え、藩主や旅人の湯治場に。明治以降は「日本三大美肌の湯」として全国に名を広め、現代ではエステ・美容旅の聖地に。
観光とグルメ
- 観光:シーボルトの湯、豊玉姫神社(美肌の神)、嬉野茶畑。
- グルメ:
1. 嬉野温泉湯どうふ
2. 佐賀牛
3. 嬉野茶スイーツ
共通点と対比
共通点
- ともに“日本三大美肌の湯”に数えられる。
- 泉質はいずれも弱アルカリ性で、肌に優しくしっとり潤う。
- 女性人気が高く、美容・縁結び・癒しをテーマにした旅が定番。
対比
- 玉造=「神話と信仰に包まれた美の湯」。
- 嬉野=「九州らしいやわらかさと潤いの湯」。
- 玉造は“神聖で凛とした美”、嬉野は“とろけるような柔らかな美”。
- グルメも玉造は“出雲の和風の味わい”、嬉野は“九州の濃厚な滋味”。
比較表:玉造と嬉野の魅力を整理
| 項目 | 玉造温泉 | 嬉野温泉 |
|---|---|---|
| 泉質 | ナトリウム・カルシウム硫酸塩・塩化物泉(神の湯・しっとり美肌) | ナトリウム炭酸水素塩泉(とろり・重曹泉・つるつる肌) |
| 歴史的背景 | 出雲神話ゆかり、日本最古級の温泉地 | 肥前国風土記に登場、宿場町から美肌の湯へ発展 |
| 観光 | 玉作湯神社、出雲大社、松江城 | シーボルトの湯、豊玉姫神社、茶畑めぐり |
| グルメ | ① 出雲そば ② 宍道湖のしじみ汁 ③ 島根和牛 | ① 湯どうふ ② 佐賀牛 ③ 嬉野茶スイーツ |
まとめ
玉造は「神話と美が交わる、願いを込める温泉旅」。
嬉野は「とろける湯に癒される、美肌再生の温泉旅」。
同じ“美肌の湯”でありながら、玉造は「凛とした神話的美」、嬉野は「やわらかな潤いの美」。
肌を整えるだけでなく、心まで整えてくれる――そんな“美の二大名湯”です。
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