香川県のこんぴら温泉と、福島県の東山温泉。
どちらも「古い町並みの中に息づく温泉」であり、信仰と歴史が深く結びついた名湯です。
こんぴら温泉は“金刀比羅宮(こんぴらさん)”の門前湯として誕生。
東山温泉は会津若松の城下町に寄り添い、“武士と文人の湯”として栄えました。
この記事では泉質・歴史・グルメを切り口に、“神と侍の湯”を比較してみます。


こんぴら温泉:参拝客を癒す門前の湯
泉質
ナトリウム‐カルシウム塩化物泉。無色透明で塩分を含み、湯冷めしにくく保温効果が高い。疲労回復に優れ、“参拝の後に浸かる湯”として理にかなっている。
歴史的背景
江戸時代、金刀比羅宮への参拝者が急増した際に、門前町に湯宿ができたのが始まり。
“こんぴら参り”の疲れを癒す湯として、巡礼文化とともに発展。
今も町の中心には石段参道が伸び、旅人の気配が残る。
観光とグルメ
- 観光:金刀比羅宮、石段参道、表参道商店街。
- グルメ:
1. 讃岐うどん
2. 醤油豆
3. オリーブ牛
東山温泉:会津武士が愛した城下の湯
泉質
硫酸塩泉・塩化物泉の混合泉。無色透明でやや熱め。
“傷を癒す湯”として知られ、武士の湯治場や旅人の宿場として重宝された。
歴史的背景
開湯は1300年前と伝わり、会津藩主・松平氏の御用湯として栄えた。
幕末には新選組の土方歳三が傷を癒した逸話も残る。
明治以降は文人墨客も訪れ、渓谷沿いの宿街が現在も当時の風情を伝えている。
観光とグルメ
- 観光:鶴ヶ城、大内宿、飯盛山。
- グルメ:
1. 会津ソースカツ丼
2. こづゆ(郷土料理)
3. 馬刺し
共通点と対比
共通点
- どちらも「古い町に寄り添う歴史の湯」。
- 信仰・文化・人々の往来とともに発展した“門前・城下温泉”。
- 泉質はともに塩分を含み、体を温め疲れを癒すタイプ。
対比
- こんぴら=「神のための湯」。参拝と癒しをつなぐ“門前文化の温泉”。
- 東山=「侍のための湯」。戦と静養をつなぐ“城下文化の温泉”。
- こんぴらは“明るく開かれた町湯”、東山は“静かな渓谷の隠れ湯”。
- グルメも、こんぴらは“うどん中心の素朴な味”、東山は“肉と郷土料理の滋味”。
比較表:こんぴらと東山の魅力を整理
| 項目 | こんぴら温泉 | 東山温泉 |
|---|---|---|
| 泉質 | ナトリウム・カルシウム塩化物泉(保温・疲労回復) | 硫酸塩泉+塩化物泉(熱め・傷の湯) |
| 歴史的背景 | 江戸期に金刀比羅宮参拝客のために発展、門前湯文化 | 奈良期開湯、会津藩主御用湯、武士と文人が愛した湯 |
| 観光 | 金刀比羅宮、石段参道、表参道商店街 | 鶴ヶ城、大内宿、飯盛山 |
| グルメ | ① 讃岐うどん ② 醤油豆 ③ オリーブ牛 | ① 会津ソースカツ丼 ② こづゆ ③ 馬刺し |
まとめ
こんぴらは「参拝の疲れを癒す、神に寄り添う門前の湯」。
東山は「戦と静養を癒す、侍と文人の城下の湯」。
どちらも“人の祈りと文化が息づく温泉地”。
神々に見守られるように湧いたこんぴらと、歴史の記憶を映す東山――
旅の目的が「祈り」か「静養」かで、選びたい二つの湯です。
インスタグラムにも旅行の写真を掲載してみます。ご覧いただけたら嬉しいです。


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